クローバーフィールド・パラドックス見た
英語週間1日目の英語動画を探すべく、ネトフリ(Netflix)を開いたら、クローバーフィールド・パラドックスという動画が新着で入っていました。
これはもしや、あのクローバーフィールドの続編的なお話では?と期待を胸に視聴を始めたのですが、結論から言うと、私には英語レベルが高すぎました。
元祖の方のお話はこちら
クローバーフィールド/HAKAISHA - Wikipedia
今日は目次を作ってみた
英語は難しかったデス
1.造語と複雑な世界観
まず、セリフが難解です。物語の舞台は8割がたが宇宙ステーション内なので、普段聞きなれないような専門用語やSF独特の造語が飛び交います。さらに、物語自体がパラドックスを含む構成なので、予想外なこともたくさん起こります。
パラドックス:ゲームなどでは「並行世界」的な概念として扱われ、主人公が選んだ行動によって結末が変わるマルチエンディングシステムの温床と化しているが、実際は「最初の予想を大きく裏切るが、筋は通っていて矛盾はしていない結論」くらいの意味らしい。
劇中で「俺は自然の摂理がわからなくなったよ・・・」というセリフがあるのですが、まさにそんな感じで常識外のハプニング続きの展開に、自分だけが話についていけていないのか、そもそも観客を驚かせる演出のために唐突に話が展開しているのかがわからず、要所要所で不安にもなりました。
これだけでも十分に英語学習者を居心地悪くさせる要素が満載なのに、追い打ちをかけるように並行世界の概念もブッ混んでくるので、なにかと物語が複雑になるんです!
もちろん映像があるので、6割がたのセリフが分かればストーリーにはついていけるのですが、作品独自の造語や世界観を楽しむまでは至らず、自分は本当に正しい解釈をしているのだろうか?という不安を残したままラストを迎えました。
ので、結局、日本語字幕入りでもう一回おさらいしましたw(結局、英語学習という本来の目的を忘れて、作品にのめりこんでしまいました)
2.ちょいちょい出てくる中国語
主人公と一緒に働く中国人エンジニアとステーションを管理しているAI(siriみたいな話しかけたら応えてくれるタイプ)はなぜか中国語しか話さないという設定です。
ちなみに乗組員は国籍に関わらず全員中国語が話せ、中国人エンジニアやAIとは中国語でコミュニケーションをとっています。中国人エンジニアの方は、英語で話しかけられても頑なに中国語で返答するのみです。絶対に英語分かってるくせに!
なので、英語の会話の中に中国語がちょいちょい差し挟まってきます。これが聞いていて集中力をそがれます。一生懸命に英語を理解しようと耳を傾けていたのに「ん?これ中国語やん!」となった時の悲しさよ。
ツッコミどころ満載デス
さて、英語の聞き取りウンヌンの話は少し横に置いておいて、この映画にはツッコミを入れたいところが何か所か・・・
1.タイトルがほぼ釣りやん!?
元祖クローバーフィールドのストーリーをざっくり言うと、「謎の宇宙生命体がNYをめちゃくちゃにするのをハンディカムで撮ってる人がいた」って感じです。
ですので、元祖の物語の中でキーとなのは、「謎の生命体」と「ハンディカム」だと思うのですが、今回はそのどちらもまるで重要ではないように扱われています。
☆謎の生命体問題
謎の生命体の登場シーンは劇中でたったの2回。1回目はモヤの中でモヤモヤと影だけが動きます。
モヤの中でモヤモヤ:ここを逃すと笑うところはありません。
2回目は上半身がアップで鮮明に映るのは映るのですが、エンドロールの直前の9秒だけの出番です。よって、取って付けた感がとにかくすごいんです。むしろ、それしかありません。
2回の登場時間を合わせても謎の生命体が登場するのはたったの15秒ほど。こんなん、カメオ出演やん!
もし監督が「期待を裏切るが矛盾はしていない結果=パラドックス」とでも思っているのなら、この言葉を送りたい。
「コレハ 日本語デハ 辻褄合ワセ ト言イマ~ス」
☆ハンディカム問題
元祖の方では、素人がハンディカムで撮影した不明瞭な画像が、見る側のドキドキを促進させていたのに、今回は大掛かりな宇宙ステーションのセットの中で、バリバリの高画質カメラで撮影されていました。
完全なるプロの犯行です。
さすがに、スマホがここまで普及した現在において、ハンディカム持ち歩いてる人はいないよっていうツッコミを避けるためにこうしたのかもしれませんが、じゃあスマホで撮ってくれよ!というツッコミは残ります。
2.ネトフリからの圧力ですか?
ネトフリオリジナル作品の共通点といえば、別作品のオマージュ。
ここからは私の勝手な解釈ですが、ネトフリのオリジナル作品にオマージュが横行しているのは、監督さんの才能不足ではなく、視聴者に別の作品を思い出させることで、そっちの作品も見てもらおうっていう魂胆があるからだと思うんです。
つまり、ネトフリ作品を見れば見るほど、かつて見たことのある作品をもう一度見たいという思いが強まり、結果としてネトフリから逃れられなくなるという、ネトフリにとって美味しいサイクルに組み込まれていくんじゃないかと。
実際、とあるネトフリ作品ではやたらと映画の名前を連呼している場面がありましたw
さて、今回のクローバーフィールド・パラドックスにもオマージュやパロディっぽいシーンがありました。まず、タイトルがそうですよね。無理やりクローバーフィールドに結び付けてる感が否めません。(もちろん、元祖クローバーフィールドは、ちゃんとネトフリのラインナップに入っています)
それから、作中の設定の「エネルギーを作り出そうと膨大なパワーをかけたら、異次元から悪魔が出てきてしまった」というのは、「ストレンジャー・シングス」というネトフリオリジナル作品の「兵器を作ろう膨大なパワーをかけたら、異次元から悪魔が出てきてしまった」という設定に通じるものがあります。
ストレンジャー・シングス:2シーズンまでが公開済みのネトフリオリジナル作品。SFホラーだが、一番の驚愕ポイントは、ウィノナ・ライダーが言われないとわからないレベルに老け込んでしまっていたこと。
さらに、この映画では「ストレンジャー・シングス」のキーワードでもある「upside down」という言葉が3回連続で使われるシーンもあるので、これは意識してやっているのだろうか?と気になって夜も寝られません。
「ストレンジャー・シングス」はエミー賞も取っているネトフリの出世作なので、彼らとしては推していきたいのかも。だから、ネトフリから監督に「どこかにストレンジャー・シングス的な要素をねじ込んじゃってください」ってお願いしたのかも~、なんて妄想を掻き立てます。(え?考えすぎ?)
3.主人公の専門は?
この物語の主人公はエヴァという名の女性宇宙飛行士です。ただ、彼女が何のために宇宙ステーションに呼ばれたのかが不明なのです。
例えば、彼女の同僚のロシア人宇宙飛行士は設備管理担当、ドイツ人宇宙飛行士は今回の任務の核となるエネルギー発生装置の起動担当、他にもエンジニアの中国人、修理担当のアイルランド人などなど、職務内容の分担がかなり明確です。
しかし、主人公のエヴァに関して言えば、部屋で夫とスカイプをしたり、家族の映っている動画を見たり、食堂でご飯を食べたりしている描写はあるのですが、仕事をしている姿がほとんど見受けられません。
たまに割り当てられる仕事も人数が足りないので駆り出される印象で、先陣を切って何かをやっている気配はありません。
彼女が地球にいたころのやり取りからは、本人が任務を断り続けたにもかかわらず、優秀だから是非にとステーションに呼ばれた流れが読み取れるのですが、果たしてステーションの人は彼女にどんな活躍を期待していたのでしょうか?
最後に
まあ、この作品を個人的に勧めるかというと、正直なところ、あんまりお勧めはしませんw(ここまで書いといてそれかよ!)
もちろん、クローバーフィールドのファンとか、ネトフリ商法研究家の方にはおすすめですが、間違っても英語学習の為にはおすすめできません!